学生諸君へ
渡辺えり子の文

 渡辺えり子が東京新聞に発表しているコラムを読むようにすすめたら、是非、転載してくれ、という注文が多かった。
 こういうのは、あまり好きでない。
 何事も、楽をしようと思ってはいけない。
 特に情報のキャッチは、苦労して入手することが肝要である。
 半世紀ちかい年月をかけて手にした情報を、簡単にコピーしてくれ、といった注文にであう。必要だったら、どうぞご自分でお探し下さい、といいたいところだが、読者であるから、無下にことわるわけにもいかない。
 以前、『満蒙開拓青少年義勇軍』を上梓した時、ある満州関係の団体から、引用した資料を見せろ、と命令されたことがあった。
 これは誇張して話しているのではない。文字通り「見せろ」である。ハラがたつまえに呆れてしまった。命令された資料は、確かに一点もので、他にないものである。わたしは返事もせずに放置した。それっきりである。  アジア・太平洋戦争の時代に興南錬成院という軍政官養成機関があった。その極秘資料を入手した時、当時の関係者が、資料を探している、という情報に接し、提供しよう、と申し出たことがあった。養成機関に入院した人たちの個人的な資料まであり、貴重なものと思ったからだ。ところが何をカン違いされたのか、先方から断ってきた。ゆすられて莫大な資料代を請求されると思われたらしい。わたしは、事情によっては、差し上げるつもりでいたのである。
 情報の開陳には、色々面倒な事が多い。
 渡辺の文は、現在発行されている「東京新聞」に掲載されている。図書館へ行けば誰でも読める。是非図書館に行きなさいといいたいところだが、百歩ゆずって、ここに一番最近の(2月15日・3月14日)のものを紹介する。スキャンしたものを添付したから拡大してもらおう。そうすれば読める筈である。彼女が文中でふれている記事もあわせて紹介すれば、より彼女の文が理解できるのだが、そこまではやらない。興味を覚えたら、それから先はあなた自身の問題である。

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